地方病とは日本住血吸虫(Schistsoma japonicum)の寄生によってヒトを含む哺乳類に発症する寄生虫病であり、山梨県甲府盆地底部、利根川下流域の茨城県、芦田川流域の広島県深安郡片山地区現在深山市神辺町、筑後川下流域の福岡県及び佐賀県の一部など、ごく限られた地域にのみ存在した風土病である。

肝臓に寄生した日本住血吸虫の卵殻

中でも甲府盆地底部一帯は国内最大の罹病地帯であり、この病気の原因究明開始から、治療、予防、終息宣言に至る歴史の中心的地域であった。同疾患の正式名称は日本住血吸虫症であるが山梨県では一般的に地方病と呼ばれており、原因解明への模索開始から終息宣言に至るまで100年以上の歳月を要するなど、罹患者や地域住民をはじめ研究者や郷土医たちによる地方病との闘いの歴史は山梨県の近代医療の歴史でもある。

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